ケータイ小説 野いちご

憂鬱な姫君 (姫シリーズVol.5)

第2幕
自分のID

学校を早々に飛び出してきたものの、AQUAで昼寝をし、ママと買い物をし、そのままレンに連れられ郊外のアトリエまで来たココはレオの演奏を聴きながら寝てしまったようで、気付いたら、見慣れた部屋が視界に映った

キングサイズのウォーターベットは最初こそ寝にくかったものの、慣れるとユラユラ心地よい

母親の胎内にいるような感覚で、とても落ち着くのだ

それでも、時計に目を向けると、短針が指すのは10と11の間・・

完璧に遅刻だ・・

って今日は何曜日だっけ?

なんて思いながらベットを抜け出し、リビングへ降りて行く

ガチャ・・

ドアを開けると

「ココか? よく寝ていたな・・」

とパパが一人で荷解きをしていた

「うん・・ みんなは?」

「仕事に行ったぞ? 今日は学校はどうするんだ?」

「何、そのセリフ・・ 普通なら“学校に遅刻するぞ”じゃないの?」

ココは潤也の言葉に噴出してしまう

「まぁな・・ さっきコーヒー落としたばかりだぞ?」

苦笑いの潤也は、思わず話題を変えてしまう

その言葉に、ココは自分のカップにコーヒーを注ぎ、牛乳を注ぎ、潤也の隣のソファに腰を下ろした

「なに? 今月号?」

「そうだよ・・」

潤也が開封していたのは、定期購読をしている雑誌・・30冊ほどあるだろうか

モデル人口の多い、東野家では、自分達の記載の有無に関わらず、毎月沢山の雑誌を講読しているのだ


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