ココが連れてこられたのは、校舎の裏だった

日が当たらず、なんだか空気もジメジメしているような場所に思わず顔をしかめる

「東野さん!?」

突然呼ばれ、ビクッと顔をあげるココ

目の前には、女の子が数人仁王立ちしている

「昨日、堀君と駅まで帰ったって本当なの?」

なんで、知っているのか・・と疑問に思いつつ・・

ココは頷いた

「あっきれた! いくら彼が優しいからって図に乗ってんじゃないわよ!」

とココに近づいてきた女の子に二つに結っている髪の片方を引っ張られる

「イタッ!!」

ココは女の子から自分の髪を離そうとするが、力一杯引っ張られていて逆に痛みは増すばかり

しばらく、格闘していたココだったが、次の瞬間、急に体が軽くなり、湿った地面に尻餅をついてしまった

エッ・・・

何が起きたのか、理解できないココは顔を上げた

そこには勝ち誇った笑みの女の子・・

その手に握られているのは、髪の毛の束・・

ココは髪を切られてしまったのだ・・

「うっそ・・・・」

じわじわとココの目に涙が浮かぶ・・

「ココ!!!」

そこに飛び込んできたのはジョーだった

「あら? 随分、地味な王子様の登場ね? でも、遅かったんじゃない?」

ジョーもココの髪が切られたことに気がつき、目を見開いたが、すぐに女の子を睨みつけた

「全っ然、怖くないわ・・・ お似合いのお二人で、暖めあったらいかが?」

と次の瞬間、周りにいた女の子がふたりにめがけ一斉にバケツの水をぶちまけた・・

勢いが良かったため、ココとジョーのメガネは吹き飛んでしまった

「あら・・・」