海を越えやってきたシアトル

道路の側溝から湯気が上がっていて、しわのないスーツを纏ったビジネスマンやマロニのヒールを響かせた女性がコーヒーを片手に急ぎ足で歩いていく様子も見慣れた朝の風景だった

8月までの3ヶ月は現地の語学学校に通っているココは、勉強の為にもと進んでマーサのお店を手伝っていた

今、お店を切り盛りしているのは、マーサの息子のジョナサンと奥さんのマロン

マーサは常連のお客の話し相手が仕事といった所だろうか・・・

マーサの長女のエイミーは、小学校の先生になり、結婚し、家を出たが週末の度に子どもを連れて遊びにくるので、今ではすっかりココも顔見知りだ

ジョナサンとマロンの間には双子の女の子がいて、名前はミシェルとアシュリー

同じ双子という事で、少し親近感を持っていたし、弟(ジョー)がいるものの、まったく弟という感じがしないので、ミシェルとアシュリーが妹のようでかわいくて仕方がなかった

語学学校には、世界中から色んな年齢の人が集まっていた

色々な経歴を持っていて、楽しかったし、みんな勉強しにきているので、文法が・・とかごちゃごちゃ考えすぎずにどんどん話すことが出来た

教師はイギリス出身の男性で、ある日

「先生 イギリスの料理ってフィッシュ&チップだろ? 世界で一番おいしくないよな~」

と言うのは、クラスメイトのハーマン

それに対して

「日本の和食は健康にもいいし、かなり美味しい!!」

とココ

「う~ん・・ でも、このクラスで一番大きいのは誰だ?」

と先生

「え~」

と生徒達

「俺だろ? フィッシュ&チップを食べてこんなに大きくなったんだ!!」

とにこやかに反論した先生に納得するしかない生徒

確かに、先生が上も横もクラスで一番大きかったのだから・・

こんな風にココはクラスに溶け込んでたのだった