隆也の家は3階建アパートの3階にある一番角の部屋。

玄関を開けると4畳半くらいのキッチンに別々の風呂とトイレ、奥に6畳ほどの部屋がある。

広いとはいい難いがひとり暮らしなら十分。

とりあえず目の覚めない彼女を布団の上に寝かせて毛布をかけてみる。

隆也は横になっている彼女をまじまじと見つめた。

――しかし・・・可愛いなぁ・・・――

外見は整った顔立ちをしていたが、彼女の服装といえば、ワンピースとは言い難いところどころ破れたキタナイ布着れを巻いている。

思わず部屋に連れて帰ったものの、まだ気絶したままの状態の彼女をどうしたらいいのかわからない。

どういう子なのか、どうしてこんな夜にあんな場所にいたのか、襲い掛かってきたのは何故か・・・。

聞きたいことは色々あったが、ひとまず彼女をそのままにしてキッチンの方へと戻った。

ふと、テーブルの上に置かれた肉屋の包みが目に入った。

突然わけのわからない出来事があって今まで忘れていたが、今日は肉を買ったのだ。

それも、いつもとは違う高級なステーキ肉!

思い出したとたんに、隆也はお腹が空いていることに気づき、心躍らせながら夕飯の準備を始めた。