「ほら」

乱暴に投げて渡されたそれを、片手で受け取る。
花柄のバンダナで包まれた長方形のその箱は、見た目よりもずっと重い。

距離をとるために少し離れたところに座ったそいつに、俺は口端をあげて言った。

「…昨日のより重いな」

「おっ…おお前が、これじゃあ足りないなんて言うからだろ!!」


顔を赤くして声をあげる。
言葉ひとつで、ここまで動揺する。

それを見て
思わずにやつく顔を掌で隠した。

まったく

なんなんだ、こいつは。



…完全にツボだ。