「…ついてくんなよ」


「やだっ」


「…裸足じゃん」


「かっ、関係ないでしょっ!?」



かれこれ、十分ぐらい。



ゼンが海賊船へと向かうのを追いかけながら、こうして言い合っている。


言い合ってるっていうか、私がゼンに一方的に言われてる気がする。


「…あんた、どうするつもり?」


ため息をついて立ち止まったゼンは、私を見ずに訊ねた。


「あんたじゃなくて、ララ!私は、ゼンの船に乗せて貰いたいの」


私も立ち止まって、ゼンの後ろ姿を見据えて言った。



18歳の、誕生日。


私が待ちわびていた日。



人間の足を手に入れたら、海に出ようってずっと決めてた。


彼を…捜すために。



私が唇を噛み締めると、不意にゼンが振り返った。