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 あたしはその日の朝、ベッドから起き上がり、ゆっくりと伸びをした。


 脇では喬が眠っている。


 キッチンでお湯を沸かし、アイスコーヒーを二杯淹れて、一杯はあたしが啜り、もう一杯は冷蔵庫に入れて保存した。


 何せ、開け放った窓からは絶えず南風が吹き付け続けていて、とても暑い。


 あたしはエアコンのスイッチを捻って冷房にし、部屋の中を涼しくしようとした。


 ただ、蒸し暑さは相変わらず続いていて、室内は一向に涼しくならない。


 そしてあたしは着ていたTシャツに汗を掻きながら、ゆっくりと朝の時間を過ごした。


 まだスッピンで、外出準備も出来てはいないのだが、あたしはコーヒーを啜り取りながら、寛いでいる。


 徐々に神経が覚醒し出した。


 あたしは喬の眠っているベッドの方をじっと見つめながら、


“やっぱ疲れてるんだわ”