結局朝までほとんど眠れなくて。

あくびをかみ殺しながら登校した。


「おはよ。愛子、寝不足?」

下足室で芙美に顔を覗き込まれた。

やっぱり眠そうな顔してるか。

おまけにちょっとだけ泣いたりしたもんだから、瞼が腫れてる。


「うん……芙美からの電話切ったあと、録画してたドラマとか見まくっちゃって……」

へへっと笑ってごました。


すると背後からパコンと頭を叩かれた。


「おす」


振り返ると木村君があたしを見下ろしていた。


「おはよ」


昨日、どうだった?

って、聞きたいけどどうしようかな……ってオロオロしていたら、木村君の方から口を開いてくれた。