「………………痛い」

 新しい学期に慣れてくる1月末、下半身を襲う鈍い痛みに不満を零す。

 生徒会室の机に突っ伏す私の隣に座るミドリが、

「タツキさんに愛されちゃったんだ?」

 ニコニコしながら私の顔を覗き、楽しそうに頬を突いてくる。

 確かに、この鈍い痛みはタツキの所為。

 そもそもあの日、私が眠気に負け寝てしまったのが悪いのは分かっている。
 次の日、一日中機嫌が悪くて苦労した。

 翌週、嬉しいことに休みではなくなったタツキは、ぶつぶつと文句を言いつつ塾に向かい、帰って来る前に寝た私。

 これでタツキは諦めたと思ったが、甘かった。

 先々週のことなんてすっかり忘れていた私は、警戒することもなくソファーに座るタツキの隣に腰掛けると、

『覚えてないなんて言わせないからね』

 ニッコリと微笑むタツキに抱き上げられベッドに連行。

 言うまでもなく、たくさん愛された。

「はぁー、私が学校だってこと忘れてるのよ。あのバカタツキ」

「でもさ、ちぃが誘っといて寝たのが悪いんだよーっ!」

「そうだけどさ!普通痛くなるまでやる?」

「激しいんだ?」

 急に頭上から声が降ってきたため顔を上げれば、

「雄太郎っ!」

 一枚の紙をペラペラとさせながら私の後ろに立っていた。