「あははははっ…」


一方のパソコンルームでは、
まだ沙弥が笑い転げていた。


「な、なぁ…なんでそんな笑うの?」


「まぁまぁ。沙弥は笑い上戸だから。」


水華は金石の肩をポンポンと叩く。


「いつもこうじゃないか。」


木本も金石をなだめる。


(そういえば…
さっきまで緊迫してたから、
日常を忘れてたなぁ…)


と、金石はふと思う。


沙弥もまた、木本の声を耳にしていた。


(今は…
日常じゃないんだよね…
残念なことに。)


沙弥は笑うのをやめると、


「…ふぅ。」


と一つため息をして、
また真面目な顔に戻った。


「さてと。いつまでも笑っちゃいられんな!」


すくっと立ち上がり、
スカートに付いてしまったホコリをはらい落とした。