「そろそろだ…。」


ククク、と不気味に笑うその男。


「もうすぐ…。
互いに戦わなければならない時が来る……。

さて、姫はどうするかな?」


楽しそうに語る男に、
近くに控えていた【モトヒラ】は、


(私の出番も、そう遠くはなさそうですね。)


と、
自分の出る幕が近いことを悟る。


「一方の木本くん、白川さんにも…。

まもなく、訪れる。

つらく悲しい時が。」


笑いをこらえるように、
美しいその手で口元を覆う。


「これが終われば、
いよいよフィナーレ…。

実に楽しみだ!

…君たちがどんな戦いを繰り広げるのか、
そしてどんな結末を迎えるのか………。

しかとこの目に焼き付けようではないか。」


コーヒーを口に含み、
味わいながら、男はニヤリと笑うのだった―――…。