ウサギが何かを呟いたように見えたその瞬間、
ウサギの周りに竜巻のような風が吹き荒れ始めた。


「!?」


ゴゴゴ…


轟音を森中に響かせながら、
その突風は沙弥に向かっていった。


「いきなりっ…!?

『風よ!我が身を守る障壁となれ!!』」


向かってくる突風に手をかざして、
風のバリアーで対抗する。


そして風たちは激しくぶつかり合った。


…しかし、
それもつかの間。


沙弥はあっという間にはじき飛ばされ、


沙弥の後ろの方にそびえる木の幹に叩きつけられた。


「…うっ…!」