『ゼロ様、
昨夜は楽しまれたようにお見受けしますが…。』


朝食を終え、
どこか満足げな様子のゼロに、
【モトヒラ】は尋ねた。


『あぁ…。
姫に会ってきたのだ。』


ゼロの整った顔から笑みがこぼれる。


(昔から、
ゼロ様は姫にぞっこんだな。)


『…お姫様のご様子は?』


『…幼い頃と、さほど変わっていない。

相変わらず、
可愛いお姫様だったよ。

あのきめ細かい肌に触れられて、
私は満足した…。

が。』


急にゼロの表情が冷たくなった。


『【我が敵】…。
まだ姫と仲良くしていたとは……。

…許せない。』


怒りに顔を歪めたが、
すぐに元の整った顔に戻った。