「もう!打ち合わせにも来ないで、二人で何やってたのよ!」



「あはは…ごめん愛海ちゃん」




目の前には、仁王立ちをして鬼と化している愛海ちゃんと、眠たいのかあくびを連発しているレンの姿。


そんな二人を前にして、あたしは視線をレンの方へ移した。




後夜祭直前の体育館。


あのままあたしは告白大会の打ち合わせにも行かず、ずっと理科準備室で寛司に抱きしめられていた。


自分の気持ちを整理しようと試みたけど、寛司の腕の中で集中できる訳もなく、時間が過ぎて今に至る。



レンは…今まであたし達が何してたかは、聞かないのかな?気にならないのかな?




「何だよミライ、さっきからずっと俺の顔ジロジロ見てさ」



「へ?」



「何か付いてるか?俺の顔」




盗み見をしていた事がレンにバレ、あたしは苦笑いで首を横に振った。




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