喉が渇いて、目が覚めた。


見慣れない模様のクロスの壁が目の前にあった。


俺の部屋じゃない?


フットライトだけの薄暗い部屋で、掛けていたシーツをどけて起き上がり、部屋を見回した。


ベッドが2つ。


窓側のベッドで陶子さんが規則正しい寝息をたてている。


その向こうには小さなテーブルと一人がけのソファが2つ。


そしてベッドの足元の方にはドレッサーと整理箪笥とテレビ。


その隣に小さな冷蔵庫。


ホテルの部屋だ。


ベッドサイドテーブルにある時計を見ると、1時過ぎを示していた。