今度は本当に長い入院になった。が、毎週末金曜日に外泊して月曜日に帰る。父の長期休暇(夏休み・冬休みなど)で温泉や登山に行くときは同行することにした。家での生活に少しでも慣れるように。温泉や登山は体力をつけて楽しむことができるように。食べる量は少ないが嘔吐の回数はあきらかに減り体力もついてきていた。びっくりしたのは人間の適応能力だ。周りからみたらヒョロヒョロでいまにも倒れそうに見える人間が人並み以上に山を歩けるのだ。普通なら病院で安静にしていなければならないような人間でも大雪山縦走ができるのだ。山に行けば会う人みんなに驚かれる。どこにそんなパワーがあるのと。人間なんか気の持ちようでどうにでもなる。病院以外の世界には学ぶべきことがたくさんある。週末外泊は気持ちを前向きにするいいチャンスになったにちがいない。