「なあ、涼平(リョウヘイ)。女と別れたって本当か?」

「……あぁ……」


 キャンパスで友人に呼び止められた俺は、友人からの問いに素直に頷く。


「なんだってまた。
 あんなにラブラブだっただろ?」

「……」


 友人は心配げに尋ねるが、それをお前が言うか?


 そもそもの発端はお前だっていうのに…。


 俺は友人に言い返したかったが、唇を噛んで堪える事にした。


 幾ら俺が友人を責めたとしても、きっと、すっとぼけて話は終わる。


 友人には、『浮気』をした自覚もなければ、罪悪感なんて、全くないのだから…。


 俺は、そんな友人の天真爛漫さを羨ましくもあり、憎んでもいた。


 何故か、俺の歴代の彼女達は、友人に惹かれ、肉体を重ねる。


 それは、俺が悪いのか、友人が悪いのか、彼女達が悪いのか……。