「もうちょい速く歩けねーの?」

と不機嫌そうに言って首の後ろに手をおきあたしを上から見下ろす



「しょ、しょうがないでしょ!あたし歩くの遅いんだから!」


矢澤陽を睨んだ

というより見上げた






すると「ふーん」と言ってスタスタ歩き出す



もー
なんなのよ!?
このわがままイケメン!!






それでも歩くのが遅い
あたしにシビレを切らしたのか


「遅い」



一言、言ってあたしの手首を掴んで歩きだした



「ちょっ、速いっ」


虚しくあたしの声は聞こえず

あたしは小走りの状態
















ガラッ


「やっと着いたーってアレ??」


その部屋は朝にも関わらず真っ暗で


しかもかなり広い部屋だった




さっき隣にいたはずの
矢澤陽が居なくなってて


あたしはあの時の光景を思い出した



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