道路は思いのほか空いていて、わたし達はお昼過ぎには現地に到着した。



「うわぁ……雪やぁ……」


車から降りたわたしは、感嘆の声を漏らした。



「凄い……。なんかまぶしい……」



目を細めて、足元に積もった雪を踏みしめると、ギュッギュッと音が鳴った。



「あ、そっちは固まってるからすべるで……」
「きゃっ」


シィ君のセリフを聞き終える前に、わたしの体はすでに傾いていた。


うわわ……


――尻餅ついちゃう


そう思って体を硬くした瞬間、背後から抱きかかえられた。



「ほらっ、だからあぶないって! もう、ホンマ、どんくさいなぁ……」


シィ君はクスクス笑いながら、わたしの体を立て直してくれた。