私の名前は、姫条まい。


嫌いなものは炭酸ジュースと数学。
好きなものは日本史と織田信長と…。


「おい、こんなところでつったってんなよ」


出席簿の角でゴツンと叩かれる。


…い、痛い。
これ、ほんとに痛いんだけど。


涙目で振り向くと、そこには侍先生の姿が。


「侍先生!」


「…倖田だ」


先生は呆れたようにため息をついた。


好きなもののもうひとつは、侍先生。
本名は倖田海。


先生がうちの担任になるときに間違って“侍田”と書いてしまったのがきっかけで、


“侍田先生”→“侍先生”
と進化をとげた。


「進化なのか? それ。 ってゆーか、呼んでるのお前だけだぞ」


あれ?そうだっけ?ってゆーか、先生…なんで人の心の中読んでるの?


「声に出てる」


あ…スンマセン。


「お前ももう3年なんだから、こう…もうちょっとシャキっとしろよ」


そういえば、もう3年なんだっけ。


今年も侍先生が担任が担任で、ウキウキルンルンである。


一応…先生と私は恋人…同士。
顔を真っ赤にして照れる。


それを侍先生が呆れた顔で見る。