「はぁ~…、疲れた~…」


綺羅は家に帰ってくるなり自分の部屋に入り、ベッドに倒れ込んだ。


付き合って1日目。


すでに今日一日でこんなに疲れるとは………。


まだ、付き合って一日目だというのに、綺羅はすでに付き合うことを後悔し始めていた。


(やばい………。真里にあそこまで言い切ったところで、すでに無理っぽいと思っているなんて知られるわけにはいかない………。それにしても………)


「先輩って、クールそうに見えたのに、まさかあんなに縛るタイプだったとは………」


綺羅が一日目で嫌気がさしている理由。


それは理佐子の想像以上の束縛だった。


まだ一日目だと言うのに、理佐子は綺羅に数々の束縛を求めてきたのだ。


一番に言われたことは真里のこと。


いくら友達でも彼女ができたのだから、真里と関わることをやめること。


お昼は必ず自分と食べること。


お弁当は自分が用意してくるから持ってこないこと。


メールをしたら、必ずすぐに返事をすること。


その他にも諸々の条件を昼休みと放課後に説くと聞かされた綺羅。


うんざりするのは当然かもしれない。


本気で好きな女性ならそれも嫌でも受けようとするかもしれない。


だけど、綺羅はそれほどまでして彼女と付き合いたいとは思っていない。


だからこそ、そんな風に全てにおいて束縛をかけてくると途端に重くなってくる。