先生は私から離れて、教室の壁にもたれるようにして座る。 私も先生の隣に座った。 「あの夜は、金沢先生とお酒を飲んでいただけなんだよ。」 確かにあの夜、先生はお酒の匂いをさせて帰ってきた。 でも、それだけじゃ納得いかない。 まだ、府に落ちない顔をした私を見て、先生はクスッと笑う。 「納得いかない顔してるね。 花梨は、まず何が聞きたいの?」