修学旅行二日目。


ホテルのロビーで座り込んでたら、入口から見覚えのある人物が入ってきた。



「いやー、さすが生徒会長っすね! まさか修学旅行に来れちゃうなんて!」


「まあね、これくらいはどうって事ないよ」


「でもいいんですか? 俺まで連れてきてもらって」


「だって、沢尻くん。 あとでうるさいだろ?」


「あはは、間違いないっす」


と、楽しそうに笑っている。



「…って、おい」


と言いながら翔ちゃんの肩を後ろから掴む。


陸さんは背が高いから掴みにくい、ので代表して翔ちゃんを…って理由なんだけど。


翔ちゃんは、「ヒッ!」と声を漏らして後ろをそお~っと振り返った。


「あ、愛先輩かぁ。 なんかすっごい悪寒がしたからビックリしましたよー」


と、オドオドして答える翔ちゃん。


「ビックリしたのはこっち! なんでここにいるのよ?」


「え? それは淳先輩だけズルイって足利さんと話してて、それで――――…むがっ!」


口を塞がれる翔ちゃん。塞いだのは陸さんだった。


「生徒会の仕事の一貫だよ。 今期の修学旅行の内容をレポートするとか、そんな感じ」


そんなの、淳と恋に任せればいいのに…。
と、ジーッと陸さんを疑いの眼差しを向ける。


「淳と恋くんは、仕事だと楽しめないから俺と沢尻くんが代表して来たんだよ。 あと、沢尻くんの代の修学旅行のプランの参考に、とかねっ! それで沢尻くんにも来てもらったんだ」


翔ちゃんもそれを聞いてウンウン頷いている。


…ほんとかよ。