ケータイ小説 野いちご

この作品のキーワード

イケメン★ハーレム

第二章
聞いてほしい事

三人としたデートは正直、楽しかった。


めちゃくちゃ楽しかった。


初めて乗ったジェットコースターや観覧車、そしてメリーゴーランド。
今思い出しても、楽しくなっちゃう。


…けど。


「愛せんぱーい!」


「沢尻く…って、寄るな!」


持っていた教科書でバシン!と叩くと、沢尻くんは大袈裟にこけてしまった。


「いったー。 何するんですか!」


「何、はこっちのセリフ。 どう考えてもそっちの手がおかしかった!」


「きのせいですよー。 被害妄想激しいっすよ、愛先輩」


妄想なもんか。絶対尻を触ろうとしてたはず!


「あ、音楽だったんですか? 俺も今から音楽なんですよー」


話をそらすように、そう言う沢尻くん。


「まあ、それはいいとして、愛先輩に聞きたい事があったんですよー」


それはいいとして、って自分から言ったくせに。


「なによ?」


「愛先輩の出身中学」


あ、そうか…。
こないだ聞かれたんだった。


「えーっとね。 ここからみっつほど外れた市だから言っても分かんないかもよ」


「へー。 結構遠くまで通ってたんですね」


「ううん、遠くまで通ってたのは恋の方だよ。 私がこっちの高校にするって決めてから、引っ越ししたの」


ふーん、と言う沢尻くん。


「中学の名前は、まだ秘密にしとく」


「え、なんでですか」


「そのうち、ちゃんと話すよ」


「そっか。 じゃあ話してくれるまで、もう聞かないです!」


「うむ、よろしい!」


そう言うと、移動教室だった沢尻くんは手を振って去って行った。

< 52/ 117 >