3日目、最終日の朝。


ホテルのロビーのソファーに座りながら手鏡を見ておかしいところは無いかチェックしていた。



…って、私何ずっと鏡見てんの!?
これじゃ、好きな子待つ女の子じゃん!


違う、違うくもないけど、違うんだから!


顔をブンブンとふる。



「お待たせ」


その時聞こえた声。


淳の声だった。


「べ、別に待ってないけど」


また、私は可愛くない言い方…。
いや、可愛い言い方しなくてもいいし!


「髪、どうしたの?」


あ、そうだ!
さっき顔ふったときに髪の毛が乱れちゃったんだ!


さっきまで鏡見てた意味ないじゃん、私ー!



「べ、別になんでもない!」


ささっと直して、すくっと立ちあがる。


「じゃ、行こうか」


ニコッ、と笑いながら言う淳に、少しときめいてしまった。