拓巳が私の元へ走ってくるのが見えた。


もう随分会っていない気がした。

最後に会った時よりやつれた気がする。

涙が溢れてきて拓巳の姿が滲んでいく。

会いたかった…拓巳。

心に封印した想いが一気に込み上げてくる。

手を伸ばしてそのまま彼の腕の中に飛び込みたくなる。


でも…


それは出来ないとすぐに思い返した。

拓巳を妊娠と言う名の枷で縛りたくない。