ケータイ小説 野いちご

【中編】ベストフレンド

友達であるために
6.揺れる心 Side亜里沙


窓から吹き込む夏の風がカーテンを煽り肌を冷たく弄る。

町から離れた山間のこの別荘地は、夏といえど夜になると肌寒さを感じる。

今夜は青白い三日月が空を照らし、夏の夜空を彩る星座達もその美しさに霞んでしまうほど幻想的な夜だ。

窓から射しこむ月明かりに、鏡の中の自分の顔色が一層青ざめたものに見える。

ベッドから身体を起こしそっと自分の腹部に手を当ててみた。

ここに拓巳の子どもがいる

信じられなかった。

朝から目眩がするとは思っていた。数日前から気分が悪かったのも風邪気味なのだと思っていた。


まさか倒れるなんて…。


まかさ妊娠していたなんて…。



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