ケータイ小説 野いちご

ぶたさん

ぶたさん
うさぎさん

 それからというもの、ぶたさんの生活は日増しに過酷なものになっていきました。 毎日20kmのロードワークは欠かさず、筋トレも器具を使ったものから自然を利用したものまで幅広く行いました。 休憩は計算されたタイミングで計算された時間だけ入り、食事制限も怠りません。 ぶたさんは何度も挫折しかけましたが、その度にうさぎさんの顔を思い出し、自らを奮い立たせて頑張って来たのでした。

 そうこうしているうちに、うさぎさんは海外へ遠征してしまう事になりました。 ぶたさんは驚きと悲しみでどうにかなってしまいそうでしたが、うさぎさんの揺るがぬ決意と、何よりもうさぎさん自身の未来を尊重し、笑顔で送り出してあげました。

 うさぎさんは、ぶたさんがトレーニングを始めた事は知っていましたが、自分の為とは夢にも思っていないでしょう。 伝えなければ、もううさぎさんと会う事もないかもしれません。

 でもぶたさんは、それでもいいかな、と思っていました。 うさぎさんの為に、なんて言ってうさぎさんの枷にはなりたくなかったのです。 自力でうさぎさんの元に追い付き、その時に自分の想いを伝えよう。 そこでフラれたってかまわない。 みそっかすだった自分がうさぎさんの力になれるのなら、うさぎさんをサポート出来るのなら、それ以上の幸せは無いだろう。

 ぶたさんの目標は、より一層現実味を帯びます。 自分の殻に閉じこもってウジウジしていたぶたさんは、もう面影もありません。

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