5月6日。


私たちの結婚記念日。


ゴールデンウィーク最後の日。


この日に私は、お母さんの遺言に従ってここに来た。


そして、その日。


ほんの数時間の間に、婚姻届にサインしてしまった。


「美和、起きろ。」


ほんとにこいつは、よく寝るよな。


俺の声だけじゃ、絶対起きない。


それでも、俺が一回は声をかけるのには理由がある。


「んっ・・やっ。」


美和のこの声を聞きたいから。


ただ、なんとなく。


聞きたい。


それだけ。