「あんたが、早川綾香さん?」


『今日の放課後、A塔の屋上で待っています』


差出人不明の手紙に、告白かなぁと多少期待して屋上へ来た。


屋上の人物を見て期待は影を潜め、彼の発言で泡と消えた。


「そうです。私が早川綾香です。何かご用ですか?」


「わかると思うけど告白じゃないから」


『怒ってる?』と肩をすくめる彼に期待していた自分に苦笑する。


「で、何の用ですか?私、6時からバイトなんで急いでもらえませんか?」


今日はセールのためいつもより30分前に来てほしいと言われている。


高校生の私を雇ってくれるありがたいバイト先。


首になるわけには行かない。