届いてほしい…


でも本当は
そんな勇気もなくて。


気持ちを知られるのは
とても怖い。



「つめたぁ〜…」



中学三年、冬。


まだほんのりと暖かさが残る教室で、私は今日も白く曇ったガラス窓に書いて消してを繰り返していた。


グラウンドの向こうまで
飛ばせない想い。

重なるように、
冷たさだけが指に残る。