三木龍矢。


新卒で私たちの学校に来た先生。


めがねの地味先生。


なのに、なのに。


今私の目の前にいる先生は、全然地味じゃない。


めがねじゃないし。


「社長、書類です。」


「わかった。」


「社長?」


「俺は、教師が本業じゃない。あれは趣味だ。本職はこっち。」


そう言って先生が指さした先には、見たことあるお菓子の数々。


「このお菓子、知ってる。」


「龍矢様は、この三木会社の社長ですよ。」


「えっ?」


「申し遅れました。私、秘書の結城と申します。よろしくお願いします。」


「あっはい。」