―――……
――……

――ドキドキする。

心臓が飛び出しそうなくらいに。


だけど、それはきっと疾風も同じで。

繋がれた手から、ドクドクと緊張が伝わってくるんだ。


つい数分前、この道を泣きながら走って来たけど。

今は違う。


これから疾風が何を話すつもりなのか。

いったいなぜ今まで家に呼んでくれなかったのか。


それはまだ分からないけれど。


ただ、信じてる。


あたしの心に積もった『不安』という雪を解かしてくれるのは、疾風しかいないって――……。


だから、何を聞いても受け止めるって決めたんだ。