「お兄ちゃん
バイバイ!」

「じゃあな!
ちゃんとまっすぐ帰れよ!」

「はあい!またね!」

「またな!来月ね!」

「うん!バイバイ!」

お互いがんばろうね!



夜7時。
この寒い時期は
辺りはもう
真っ暗になっていた


お兄ちゃんとは
どんなに盛り上がっても
7時には
帰らされる


コレは
お兄ちゃんなりの
優しさ

分かってるけど
私だってもう高1だよ、

もうちょっと位
遊んだって
……ねえ?


「はー…」
半分マフラーに
隠された口から
ため息がこぼれた


白い息が
より一層私を
寂しくさせた

でも何でだろう?
今会ったばっかなのに
お兄ちゃんが
どんどん遠くなる様な。


でも
涙は流さないよ。


また会えるんだもん。







―――その時はそう思っていた