『おはよ、果歩』


『……』



私が、心の奥底に隠してきた本当の気持ちを陽生に打ち明けた朝


目を覚ました私の顔を陽生が嬉しそうに見つめていた


眠気まなこの私の前髪をサラっとかきわけると



『よく寝れたか?』



陽生はその手で私のこめかみから髪をすくい上げ顔を覗きこんでくる


その感触に私の朦朧とする意識が不意に目を覚ました


『え…まぁ、それなりに…』


意識がはっきりとしてきた私は何となく照れくさくなって、陽生の顔から視線を咄嗟に反らす


『陽生、いつから起きてたの?てか何してんの?』


『ん、俺?ちょっと前に目が覚めて、果歩の寝顔があんまりにも可愛いいから見とれてた♪』


『は?』



陽生はあたり前かのようにそう言ってのけると私の頬をそっと撫でた


『な!?なにバカのこと言ってんのよ!?』


そんな陽生に、私は慌てて布団を頭までかぶると陽生に背を向けた


もう、朝っぱらから何言ってんのよこの男は…


寝起きだというのにやたら心臓の動きが激しい


『ふっ、な〜に照れてんの果歩ちゃんは?』


そんな私に陽生は悪戯っぽく言うと、突然後ろから私をギュッと抱きしめてきた


『果歩…お前、可愛いい』


陽生は私の耳元で甘く囁くと、こめかみにチュッとキスを落とした