あれから5日、今日はクリスマスイブ。
結局『何でもする』って約束は、イブのデートに落ち着いた。
駅前のロータリーで、会社帰りの澤弥と待ち合わせた。
カップルが多く行き交う中、サラリーマンが団体で近づいてきた。
「今日は寂しい者同士で呑むぞ!」
なぁんて言ってるけど、メンバーの中に女の子が混じってるだけマシだと思う。
「花見、お前も来るだろ?」
その団体の中に、澤弥もいた。
「花見先輩、一緒に呑みましょうよ。」
あ、この声…。
澤弥の電話を取ったコだ。
私がいることに気づいたのか、団体の中から澤弥が飛び出してきた。
「アン、お待たせ。」
声をかける澤弥に、私は軽く手を振った。
「花見、彼女って…モデルの杏世ちゃん!?」
「そうですよ、今日はデートなんで失礼します。」
澤弥はそう言って、私の肩に手を回すと
「ちょっとガマンして。」
って囁いた。