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王の遺産

王の遺産A・ストライカー篇
ロウィーナの手紙

 時は、海岸線で両軍の激突が始まる三日前に遡(さかのぼ)る。

 この時点でもレイブンは、戦の準備などまるっきりしていなかった。それは、どうしても戦う気分になれなかったからだった。彼には、命を懸けて守るべき存在がなかった。愛する物を見失ったレイブンは、自分の命さえどうでもよかった。自分の命さえどうでもいい者が、他人のために戦えるはずが無かった。


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