俺とアイルの出会いは、唐突に起きた。
俺がまだ、魔王の居場所をわかっていなかった頃のこと。
俺は魔王について、魔界各地の悪魔から情報を集めていて、あるコトが耳に入った。
「魔王は人間界という世界を侵略しようとしているらしい」
俺はそれを聞くと、すぐさま人間界、という、変なところに来た。
人間界とはホントに、おかしな所だ。
太陽という、ぎらぎら光る月みたいな物体が浮かんでいるときが『昼』で、
魔界にもある月が出ているときが『夜』と言うらしい。
太陽が昇ると一日が始まり、太陽が落ちると一日が終わる。
魔界には太陽なんてものは無いから、どれだけの時間が経ったかなんて分からない。
そもそも、誰もそんなことは気にしない。
月だって、魔界のものは黄色じゃなくて灰色っぽいし……