ちゅんちゅんちゅん…



ガバッ



「…夢……?」


(久しぶりに、あの日の夢を見たな…)


「ふわああ・・・」


私は大きなあくびをしてから、階段をおりて、朝食を作りにキッチンへと向かった。
キッチンにはもう黒髪で背の高い男がいて、朝ごはんを作っていた。


「おはよう、クロ」

「はあ、やっと起きたか。アイル、お前は何でそんなに起きるのが遅いんだ?」


クロと呼ばれた男は振り返り、目玉焼きを返しながら言った。


「!うっうるさいなあ!!じゃあ、私も聞くけど、何で悪魔のくせに、お昼も起きてるの?悪魔って、日に当たるのがきらいなんじゃないの?」

「それは、俺が最強な悪魔だからだ。」


絶対ウソだ…
私はぼそっとつぶやいた。


「いま、何か言ったかな?もう一度言ってくれるか?いや、よく聞こえなかったんでねぇ」


うわっ顔に怒りマークついてるよ!
さすが悪魔。聴覚がずば抜けてます…。


「えっ…えっと、『ホントに最高で最強な悪魔だ』って言ったのよ!」

「へーえ?そりゃあ、ありがとうございます」

「いやー、どういたしまして?」


…とクロードはいうと、にっこりと笑った。


(笑ってない!目が笑ってないよ、クロードさん!!)