あれから二日後。
クロードの人間界の[仮の家]を出て、ゴーストマウンテンへ向かっている。

私たちがいるのは、ルーゼの森。ゴーストマウンテンへ行くには、絶対に抜けなければいけない森だ。

森は薄暗く、不気味な不陰気を漂わせている。

(こんな森じゃ、何が出てきてもおかしくないわね…)


「ああ、そうだ。アイル」

クロードが思い出したように言った。

「ん?」

「この森は…」

ぶにっ

(あれ?何か踏んじゃった?)

「この森には、大きな人食いヘビがいるから、気をつけろよ…」

シャアァッ

何か、先ほどアイルが踏んでしまったモノが、威嚇してきた。

「へ?なに?うわあ!」

…目の前にいたのは、体長2mはあるだろう、毒々しい緑と紫のしましま模様の大きなヘビ。


「…なにやってんだ?アイル…めんどくせえな…自分でなんとかしろよ」

「はああっ!?」


アイルがクロードのほうを振り向いたときにはもう、クロードはいなかった。

(なんとかするって…こんなでっかいヘビ、どうやってなんとかしろって言うのよ…あの薄情もの!)


「……。」

シャアッ

人食いヘビが鋭い睨みをきかせながら、威嚇してくる。

「ぎゃっ!」