7月17日

今日学校に行くと、ヤスが校門の前に
立っていた

「おまえさあ、おれが何でうわばきを
かくしたかわかる?」
やっぱりヤスのしわざだった

「知るわけないじゃん」
ぼくが通りすぎようとすると
いきなり手紙をわたされた

「それ、読んだらかえせ」
ヤスはにらんだいた

進太が走ってきて

「気にすんな!
オレは達也の味方だよ」
と言ってくれた

学校が終わると、家に帰り
ぼくはすぐに手紙を読んだ

「おまえがいるとムカつく
 おまえなんていなくなれ
 おまえが大きらいだ
 おまえは・・・」

ぼくはそれ以上読めなかった

何だかとてもこわくなった

夕方、思い切って母さんに
手紙を見せよう!と決めた

だけど、母さんは晩ごはんが終わると
ソファーでねてしまった
ぼくはとうとう言えなかった
 
手紙の文を思い出すと
ものすごくこわかった

だけど、がまんするしかないと思った


7月24日

ついに夏休みだ

毎日暑い

朝からだらけてばかりだ

日曜日、みんなでプールに
行くはずだったけど
父さんが急に仕事になり
ダメになった
あ~つまんないな

だけど、ばあちゃんから電話があり
日曜日は花火をすることになった

父さんがいないと
ロケット花火はむりだな

でもいいや
ばあちゃんの家に行くと
ごちそうが食べられる
楽しみだなあ

夏休みの宿題のペン立ては
ばあちゃんにプレゼントしてやるか
さちよりぜったい
うまく作ってみせる

「おばあちゃんの作るお寿司
楽しみねえ」

久しぶりに母さんが笑った