7月29日

日曜日、ばあちゃんは神様と
ご先祖さまの話をしてくれた

「あのね、今から大事な話を
するからね
大人になってもぜったいに
わすれちゃいけないよ

人間はいつか必ず死んでしまう

だけど人間は生まれた時から
この見える身体ともうひとつ
見えない身体を持っているんだ
見えない身体はね
永遠に生きることができるのさ

だって神様のいのちだから

じいちゃんも身体は
なくなってしまったけど
今も意識は生きているんだ

達也はじいちゃんに
そっくりだから
達也と生きているのかな?」

ばあちゃんはうれしそうに笑った

「え~っ!いやだな
じいちゃんぼくの中にいるの?」
「さち、写真で見たことある!
じいちゃんの耳はお兄ちゃん
みたいに大きかった」

「そうそう、だからね、
ご先祖さまはどこか遠くに
いるわけじゃなくて
いつもいっしょに生きているのさ

達也は悲しい時もあるだろ?

そんな時はたくさんの
ご先祖さまのうちの誰かが
いっしょうけんめいに
「気づいてくれよ」って
メッセージを送っているんだよ

さちがうれしい時
それもメッセージなんだ

何もいやなことじゃないよ
「こんなに悲しかったの?」
「こんなにうれしかったの?」
ってわかってあげればいいのさ

身体が無くなった人達も想い残したことを
わかって欲しくて必死なんだ

死んだって思ってしまうけど、ほんとうは
身体が無くなっただけで、生きているんだ

母さんの父親と母親は
じいちゃんと、このばあちゃん!

父さんの父親と母親は
北海道にいるだろ?
そのじいちゃんとばあちゃんを
産んだ人だっている

もしも、そのひいじいちゃん
ひいばあちゃんがいなかったら
ふたりともこの世に
生まれて来なかったんだよ
わかるだろ?

いのちはね、ずっと
ず〜っとつながっている・・

いいかい?
みんなみんな、永遠の命なんだ

だから、自分のいのちを
大事にすることは、ずっと
続いてきたいのちも
認めてあげるってことなんだ

それからもうひとつ

どんな人の中にも
かならず神様がいるんだ

みんなみんな
神様にとっては
かわいい子ども達なんだ
わけみたま・って言うんだ

だからどうしても困ったことが
あったら

心の中で今も生きている
神様とご先祖さまに
正直に何でも
話せばいいさ」

何だかとてもむずかしい話
だったけど
ばあちゃんは真剣な顔で
話をしてくれた