嘘でしょ……?



ここにいるのは、シンくんだと思ってたのに……。




「どうしてここに……葛葉くんがいるの?」




じゃあ、シンくんはいったいどこにいるんだろう。




「菊月さん、卒業する1ヶ月前から“シン”っていう人と手紙のやりとりしてたでしょ?」


「どうして、それを!?」



私とシンくんが手紙のやりとりをしていたことは、私たちだけしか知らないはずなのに。


どうして葛葉くんがそのことを知ってるの?




「実は……“シン”って、“俺”なんだ」

「えっ……?」



“シンくん”が……“葛葉くん”?


葛葉くんの言ってることが理解できない。




「これ」



そう言って、ブレザーから手紙を数枚取り出して、それを机の上に広げた。