朝、リビングに顔を出すと、いつものように朝食が並んでいた。

食事はガクが作る。朝昼晩と三食。味もなかなかいける。さすがはオカマと言ったところだ。僕がこの鬼畜を追い出さないでいるのは、あるいはこの食事のせいと言えるかも知れない。

「おはよう」

キッチンからガクが顔を出した。長い髪を束ね、エプロンを着けている。この光景にもさすがに慣れた。

もっとも、ガクが美青年でなければ、ぶん殴ってでも止めさせただろうが。

僕は黙ってテーブルについた。

鼻歌が聞こえた。今日はとりわけ機嫌がいいらしい。

それもそうだろう。何せ、昨夜は一晩中レイの体を弄び、陵辱の限りを繰り返したのだから。

「……女は?」

「ゴミ屑のように眠ってるわ」

「だろうな」

僕は寝覚めのコーヒーをすすり、テーブルの横の窓に目を向けた。青々としたブナ林に朝日が差し込み、朝露に濡れる林道を暖かく包んでいた。