「みんな大丈夫なの?」
朝を迎えたナディアは、いつも起こしにくるメイドの姿がまた減っているのを見て不安げに尋ねた。
もともと彼女にあてがわれたメイドは五人。しかし今日はふたりだ。
「たちの悪い流行り病みたいです。でも元気にしてますよ! ナディア様にうつしたら大変だって部屋から出ないようにしてるだけです」
メイドのひとりが明るく言うも、彼女も先日から濁った咳を繰り返している。
「私たちは人間よりも丈夫なんです。だから心配しなくてもすぐまた五人揃います!」
もうひとりもそう言うが、こちらも顔色がいいとは言えない。