翌日、エスタレイクで初めての朝を迎えたナディアはメイドたちの手できれいに磨き上げられた。

 メイドとして仕事を与えられた獣人はそれぞれ、猫がふたり、犬がひとり、ネズミがひとり、そして猪。

 人間という慣れない種族にも積極的に話しかけてくる猫獣人たちは、好奇心が旺盛らしい。おかげでナディアは会話に困らなかった。

 犬獣人は視野が広く気遣いに長けていた。ネズミ獣人は手先が器用で、猪獣人はひとつのことの集中し始めると止まらない。同じ種族であっても当然性格に差はあるが、種族ごとの大まかな性質は存在しているようだ。