翌日から、将吾様と一緒に、朝ご飯を食べる事になった。

「また、逃げ出したりしたら、困るからね。」

作った笑顔でこっちを見て。

あのくしゃっとした笑顔は、どこに行ったのだろう。

「今日から、亮成に行儀を教えて貰う事になるけれど、あまり気にせずに、気を楽にして。」

「はい。」

「では、行ってくるよ。」

将吾様は、手を振って庭にある裏口から、外に出て行った。

その姿が眩しい。


「はい。そこまで!」

亮成さんは、朝ごはんのお膳を廊下に出すと、両手をバチンと叩いた。

「では、早速始めます。」

「は、はい。」

私は、亮成さんの目の前に座った。

「まず、将吾様がお仕事に行かれる時は、『行ってらっしゃいませ。』と言いましょう。」

「は、はい。」