私が生まれたのは、貧しい農村だった。

毎日が、食べ物との争い。

その日、食べるモノが無くて、お腹を空かせながら眠りにつく事もあった。


そんなある日。

お父ちゃんに、こんな事を言われた。

「うた。街に働きに行かないか?」

私は、嫌な予感がした。

幼馴染みのはやてのお姉ちゃんも、そう言って人買いに売られたと聞いたからだ。

「ここよりもいい飯食えて、いい服も着れるぞ。」

幼い兄妹は、うわーっと喜んだ。


親兄妹と離れてまで、そんな暮らしはしたくなかった。

けれど……