って何考えてるんだ、私!!
私はまた思考を遮断するために枕に顔を埋めた。
今日、私は大好きだった彼氏に別れを告げられてしまったというのに、裕翔さんに出会って、慰めてもらって、すごくドキドキした日だった。
「あぁ〜、もう!」
結局その日の夜は、お父さんたちがベッドのある部屋から出てくることはなくて、私が自分で夕食を作って一人でご飯を食べるというなんとも悲しいことをやらさせた。
んんー、憎い!憎い憎い憎い!お父さんが憎い!
いざお父さんを目の前にするとあの綺麗な顔のせいで文句も言えなくなってしまう私だけど、こうしてストレスを発散する時はいつもお父さんを材料に使っている。
そんなどうしようもない父親に怨念を送りながら、私は今日一日で起こった色々なことを思い出して、どっと体に疲れが押し寄せた。
大切で大好きだった彼氏に振られたこと。突然私の前にとても綺麗な顔をしたイケメンが現れたこと。そして、さっきのお母さんたちの日常茶飯事のイチャイチャ。
その一つひとつの出来事を振り返っている内に、私はいつの間にか深い眠りに就いていた。
***
その日は早く寝て、今日は五時に起きた。
目覚ましが鳴るより前に起きたことなんていつぶりだろう。まだ太陽も目を覚ましていない早朝の世界で、私は一度のんびりとあくびをしてベッドから降りる。