翌日、私達は湊さんの部屋に集まって早速作戦会議を開いていた。


アメリカに来たからには観光も外せないところだけれど、それは全ての任務が完了してからである。



「まず、この闘いは成功したらジェームズ側…僕の両親側からお礼として懸賞金が出る」


ベッドとソファーに思い思いに座り込むー寝っ転がるーメンバー1人1人の目を見ながら、我らがリーダーは厳かな口調で話し始めた。


「その額は、」


言いながら、彼は手で3の数字を作った。


「3000万…!?」


「3億だよ」


誰かの突拍子もない予想に湊さんが桁外れな答えで修正を入れ、私はソファーの上で頭を抱えた。


何度も言おう、今までと今回とではスケールが違い過ぎる。


「3億ですか!?うまい棒何個買えますかねそれ、早いところ盗んで殺してバカンス満喫しちゃいましょう」


金に眩んだのか殺しが楽しみなのか、眼鏡越しに目を輝かせる航海が恐ろしい。


「お前ら金で釣られんじゃねえ、俺らの目的は何だ!?そうだ殺しだ全員あの世送りだぜェ!」


「違うから、冷静にそこは違うからね?目的はティアラ奪還だから」


続いて叫んだのは、今日の朝から人格交代で現れた壱さんで、冷静に突っ込んだのは昨日の事など全く気にしていない素振りの大也。